足指の後遺障害とは?
症状と後遺障害等級認定の慰謝料相場について
足は、立ったときにバランスをとるのに重要な役割を果たします。足首以下を失った場合はもちろん、足指を失っただけでも立てなくなり、生活に大きな支障が出ます。
ここでは、足首以下の後遺障害の種類と慰謝料の目安について解説します。
なお、下肢(股関節から足首まで)の障害については、こちらにあります。
足指の後遺障害の種類と後遺症慰謝料の相場
足指の後遺障害には、2つの分類があります。
欠損障害
足指を一定の場所で失ったもの
機能障害
足指を特定の場所で失うか、関節の動きが悪くなったもの
それぞれについて解説していきます。
足指の欠損障害とは?
欠損障害とは、足指を離断してしまったものを指します。離断した箇所や失った本数によって認定等級が変わります。また、指によって扱いがちがいます。
症状 | 等級 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
---|---|---|---|
両足の足指の全部を失ったもの | 5級8号 | 618万円 | 1,400万円 |
1足の足指の全部を失ったもの | 8級10号 | 331万円 | 830万円 |
1足の第1の足指を含み2以上の足指を失ったもの | 9級14号 | 249万円 | 690万円 |
1足の第1の足指または他の4の足指を失ったもの | 10級9号 | 249万円 | 690万円 |
1足の第2の足指を失ったもの、第2の足指を含み2の足指を失ったもの、または第3の足指以下の3の足指を失ったもの | 12級11号 | 94万円 | 290万円 |
1足の第3の足指以下の1または2の足指を失ったもの | 13級9号 | 57万円 | 180万円 |
「足指を失ったもの」とは、中足指節関節(足指の付け根の関節)から失ったものを指します。
「第1の足指」とは親指を。「第2の足指」とは、手で言う人差し指、「第3の足指」とは、手で言う中指を指します。
足指の機能障害
足指の機能障害とは、関節の動きが悪くなったことを指します。基準は以下のとおりです。
症状 | 等級 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
---|---|---|---|
両足の足指の全部の用を廃したもの | 7級11号 | 419万円 | 1,000万円 |
1足の足指の全部の用を廃したもの | 9級15号 | 249万円 | 690万円 |
1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの | 11級9号 | 136万円 | 420万円 |
1足の第1の足指または他の4の足指の用を廃したもの | 12級12号 | 94万円 | 290万円 |
1足の第2の足指の用を廃したもの、第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの、または第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの | 13級10号 | 57万円 | 180万円 |
1足の第3の足指以下の1または2の足指の用を廃したもの | 14級8号 | 32万円 | 110万円 |
「足指の用を廃したもの」とは、以下のいずれかを指します。
- 親指については末節骨(指先から第一関節までの骨)の半分以上を失った
- 親指以外は、遠位指節間関節(足指の先の関節)以上を失った
- 中足指節間関節もしくは近位指節間関節(第一の足指は指節間関節)に著しい運動障害を残すもの
指を欠損した場合でも、その範囲によっては、機能障害として認定されます。
「著しい運動障害」を残すとは、受傷していない側の可動域と比較し、2分の1以下に制限されている場合を指します。
後遺障害認定のためのポイント
後遺障害認定にあたっては、欠損の程度を証明するにはエックス線写真等を使うようにします。
足指のしびれや知覚障害については、神経障害として認定を受けることになりますが、これは容易ではありません。下肢にも神経症状がある場合は、あわせて評価を受けた方が有利です。
いずれにしても、医師に症状を伝え他覚的知見を得られるようにするとともに、交通事故に強い弁護士に依頼するようにしてください。