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腰椎捻挫

交通事故で負う障害の代表的なもののひとつに、「腰椎捻挫」があります。
交通事故後に腰痛が続くことは多いものの、後遺障害等級認定においてはその立証は意外と難しく、後遺障害として求められにくいものでもあります。ここでは、腰椎捻挫の症状や代表的な治療法に加え、後遺障害等級認定について解説します。

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腰椎捻挫とは?

腰椎捻挫とは、自動車で走行中、あるいは停車中に追突されることで生じる腰の痛みで、誰しもが受傷する可能性のあるありふれたものです。クリニックでレントゲンを撮影し、骨折はないと診断され数日で治ると思っていたら、意外にも長引くことが多い症状です。その理由として、不意打ちの追突に対して防御する体勢がとれないことが多く、筋肉や椎間板にダメージを受けてしまうからです。

また、腰やおしりの痛みだけでなく脚全体のしびれや痛み(坐骨神経痛)が発症することもあります。もともと椎間板ヘルニアや分離症といった持病がある人が、事故が引き金になり腰の痛みが悪化してしまうケースも多く見受けられます。

なお、首の捻挫(むちうち)を合併することも多く、レントゲンやMRIといった検査で異常が見つからないにも関わらず、痛みが長引くこともむちうちの特徴のひとつです。

腰椎捻挫の主な症状

腰痛やおしりの痛みが主な症状で、どこか一箇所が痛いというよりは何ともとらえどころのない、鈍い痛みが特徴とされています。
痛みは受傷当日よりも数日たってからピークになることが多く、天気が悪いと腰が痛くなったり、数日痛みが良くなったと思っていたら、また痛みが出てきたといった感じで、なかなかすっきり症状が消えないこともあります。

また、腰の椎間板が神経を圧迫すると、腰痛に加えて脚がしびれる、痛いといった症状が見受けられます。
これを坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)と呼び、脚のしびれや痛みは椅子に座っているときや長時間歩いたときに症状が強くなるという特徴があります。なお、歩行後に脚のしびれが強くなる症状を、間欠性跛行(かんけつせいはこう)といい、腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)にも見られる症状です。

腰椎捻挫の診察では、ラセーグ徴候(SLRテスト)を実施します。
これは、ベッドの上にあお向けで横になり、片脚ずつ膝を伸ばした状態で持ち上げていく検査になります。
腰椎椎間板ヘルニアが坐骨神経を圧迫していると、脚を持ち上げる途中で脚全体に痛みがでます。
その他にも打腱器で膝やアキレス腱を叩く検査(深部腱反射)や、脚の筋力低下がないかを確認するための検査(徒手筋力テスト)も実施されます。
また他にも、しびれのある領域をカルテに記載して、筋肉の萎縮がある場合はそのことを診療録に記載します。

なお、ラセーグ徴候、深部腱反射、徒手筋力テストなどは通常の腰椎捻挫では陰性となりますが、これらが陽性になる場合は神経の圧迫が疑われるため、後述する後遺障害等級認定(特に12級13号)の際に重要な証拠になります。

腰椎捻挫の主な治療法

腰椎捻挫に対して手術が行われることはなく、事故の直後は安静を保つことが治療の基本となり、痛みがあるときは医師から消炎鎮痛剤(ロキソニン)が処方されます。
また、湿布や塗り薬が処方されることも多く、動くときに痛い場合はコルセットが処方されることもあります。なお、ブロック注射(トリガーポイント注射)というものは、痛みのある場所に痛み止めの注射を行う治療法になります。
その他にも、物理療法(電気治療、温熱治療、低周波、首のけん引など)や、理学療法士による理学療法(リハビリ)などがあげられます。

交通事故のあとに腰が痛くなったら、まずは最寄りの整形外科医院(クリニック)を受診して相談しましょう。
総合病院では、物理療法や理学療法を続けることが難しいので急性期の症状が落ち着いたあとも、クリニックで治療を継続するのが一般的です。整形外科クリニックであれば、土曜日も診療していることも多いので自宅や職場の近くでアクセスのよいクリニックを探すことをおすすめします。

また、大事なことは事故後できるだけ早いタイミングで最寄りのクリニックを受診しておくことです。
家事や仕事で忙しい事情などで、事故から1週間以上たってからクリニックを受診すると、あとになって事故との因果関係を否定される可能性が高まります。
なお、近くに整形外科がない場合は、外科を受診することもやむをえませんが、可能であれば腰椎捻挫治療の専門である整形外科を受診することもおすすめしています。

整骨院だけではなく整形外科も受診する

整骨院や鍼灸の看板を見ると、腰椎捻挫の治療ができると記載されているところもあります。
しかし、治療が終わったタイミングで後遺障害等級認定の申請を見据えておくとすれば、整形外科の受診が必須条件となります。
なぜなら、後遺障害診断書の作成は医師にしかできないためです。
例えば、治療の最初と最後だけ医師に診察してもらい、途中の治療を全て整骨院で行っていた場合などには後遺障害等級認定は非常に困難となります。
診断書作成には医師の診察が必須であり、クリニックに通院していない期間は本当に痛みが持続していたのかどうかの証明ができないからです。

腰椎捻挫の治療期間

腰痛捻挫の症状は、数日で治ってしまう人もいれば半年以上持続する人もいますので、一概に決められるものではありません。
通常であれば、事故から数日経つと職場復帰可能なことが多いものの、痛みのために長期に渡り休職を余儀なくされる方も見受けられます。事故にあった直後は安静にしておくことが大切ですが、痛みが緩和してきたら徐々に元の日常生活へ戻るようにしましょう。

また、追突事故で腰椎捻挫と診断されると、その治療費や病院までの交通費なども保険会社から補償してもらえます。
事故から症状固定までの期間で算出した入通院慰謝料や休業損害、さらに後遺障害等級が認定された場合には、後遺障害慰謝料や逸失利益も損害賠償金として保険会社へ請求することができるようになります。

なお、腰椎捻挫の治療期間はだいたい3~6ヶ月程度が目安になるケースが多いようです。
しかし、症状が続く期間は個体差もあるので、仮に後遺障害等級認定の申請を検討するのであれば、そのために必要な症状固定までの期間は、医師に相談のうえ判断を仰いでもらうようにしてください。
まだ痛みがあって、治療中にも関わらず相手方保険会社から「そろそろ治療費を打ち切りたい」などと言われたとしても、それに従う必要は全くありません。

後遺障害等級を認定してもらうために必要な手続き

後遺障害等級認定の条件を満たすためには

  • 1)交通事故が原因となる肉体的・精神的な傷害であること
  • 2)将来においても回復は見込めないと医師が判断した状態であること(症状固定)
  • 3)交通事故と本人の感じる後遺障害の症状に因果関係が認められること
  • 4)本人の感じる後遺障害の症状の原因が医学的に証明、説明できるものであること
  • 5)後遺障害の症状の程度が自賠責法施行令の等級に該当すること

以上の5つの条件を満たすことで、損害保険料算出機構が後遺障害の何級何号に該当するのかを算出し、その認定された等級に応じた賠償金を受け取ることができます。
後遺障害等級に認定されるということは、すなわち、「事故による症状が今後も改善する可能性は低い」という証明になります。そのため、一定期間(ひとつの目安は半年以上)症状が持続して、通院を続けている必要があります。

治療終了時に症状が消失している場合は、後遺障害等級認定の対象にはなりません。また仮に、治療終了までに治療に要したトータルの期間が1〜5ヶ月の場合も後遺障害等級認定の対象にはならない傾向にあります。
後遺障害等級の認定には医師の診断が必要不可欠ですから、先述した通りほぼ整骨院のみに通院していた場合も認定の非該当となってしまいますから、整形外科医師の診察は必ず定期的に受けましょう。

また、レントゲンやMRIといった画像検査で異常がみつかると、後遺障害等級認定の獲得に有利となります。
交通事故のあと、腰に痛みがあり1ヶ月以上通院を続けている場合なら主治医に「症状が長く続いているのでMRIを撮ってもらえないか?」と相談してみても良いでしょう。なお、事故から一定の治療期間が経過すると主治医から治療終了(症状固定)の提案をされますので、その際に事故後に続いている症状があるならば、そのことは必ず伝えましょう。

クリニックの場合は診察時間も数分のことが多いので、そこできちんと痛みが持続していることを医師に伝えておきましょう。痛みは外から見てもわからないので、言葉にして伝えないと「痛みは改善している」と記載されてしまうこともありえますので注意が必要です。

後遺害等級認定の慰謝料相場

後遺障害等級自賠責基準弁護士基準
局部に神経症状を残すもの14級9号32万円110万円
局部に頑固な神経症状を残すもの12級13号94万円290万円

腰椎捻挫で認定される可能性のある後遺障害等級は14級と12級ですが、ほとんどの場合は14級となります。12級13号認定のハードルは高く、レントゲンやMRIで客観的(他覚的)な異常所見があることが必須条件になります。
異常所見には骨折や脱臼はもちろんですが、その他にも椎間板ヘルニアや骨棘(腰椎の加齢の変化)、椎間板高の減少(加齢による変性で椎間板の厚みが減少する)も含まれます。

まれなケースとしては、症状が重度の場合、「神経系統の機能または精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの」として認定を受け、9級10号となる可能性もあります。

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