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弁護士法人 宇都宮東法律事務所

後遺障害3級に認定される症状と
後遺障害慰謝料、逸失利益相場

後遺障害3級に認定される症状

監修:弁護士 伊藤一星(弁護士法人宇都宮東法律事務所)
所属:栃木県弁護士会(登録番号:49525)
2020.8.26(最終更新日:2020.12.21)

後遺障害3級は、1級、2級と並んで、労働能力喪失率100%とされ、非常に大きな障害を残します。
ここでは後遺障害3級に認定される症状を紹介し、それによって請求できる後遺障害慰謝料と逸失利益の相場を解説します。

後遺障害3級とは?

後遺障害3級は、1号から5号まであります。
詳しく見ていきましょう。

3級1号 一眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの

片方の目が失明し、もう片方の視力が0.03~0.06の場合、3級と認定されます。
失明とは、眼球を失ったケースや視神経に障害が残ったケースで、その理由は問われません。
具体的には、眼球の摘出から、明暗を判断できない、または明暗のみがようやく判断できる程度のものを言い、視力が0.01未満になってしまった場合がこれにあたります。
ちなみに、視力とは眼鏡やコンタクト着用時の矯正視力です。

 3級2号 咀嚼又は言語の機能を廃したもの

咀嚼(そしゃく)とは食べ物を咬み砕く機能のことです。咀嚼に障害がでる要因は、咬みあわせ、筋肉、歯牙、顎関節、開口等の異常などがあります。
3級では、「廃した」となっていますので、流動食以外は摂取できないものが該当します。

また、「言語の機能を廃した」とは、4種の語音(口唇音、歯舌音、口蓋音、喉頭音)のうち、3種以上の発音ができないものを言います。

3級3号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
3級4号 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの

「神経系統の機能の障害」とは脳や神経にダメージが起こり、体が硬直するなどの理由で身体の自由が大きく制限されるものを差します。
胸腹部臓器とは、呼吸器、循環器、小腸や大腸などの腹部臓器のほか、泌尿器や生殖器なども含まれます。

具体的には、「生命維持に必要な身の回り処理の動作は可能であるが、高度の神経系統の機能又は精神の障害のために終身にわたり、およそ労務に就くことができないもの」と規定されています。

3級5号 両手の手指の全部を失つたもの

「手指の全部を失う」とは、手指を中手骨(指の付け根のすぐ下、手のひらの部分の骨)、または、基節骨(指の付け根から第2関節までの骨)で切断したもの。または、親指については指節間関節(親指の中央の関節)、それ以外の指については近位指節間関節(第2関節)において、基節骨と中節骨(第1関節と第2関節の間の骨)が離断したものを言います。

後遺障害3級で受け取れる後遺障害慰謝料と遺失利益

後遺障害で請求できる代表的なものに後遺障害慰謝料と逸失利益があります。
後遺障害慰謝料は後遺障害が残ってしまったことに対して請求できるもの。逸失利益は後遺障害により労働に支障が出る(=収入が減少してしまう)ことに対する補償です。

後遺障害3級の自賠責保険限度額は、2,219万円。
これは、後遺障害慰謝料と逸失利益の合計金額です。

後遺障害慰謝料の相場

後遺障害で請求できる後遺障害慰謝料の基準には、「自賠責保険基準」、「任意保険基準」、「弁護士基準」の3つがあります。
任意保険については推定値となりますが、まずは比較してみましょう。

自賠責基準任意保険基準裁判所基準
(弁護士基準)
861万円1,100万円1,990万円

このように、自賠責基準と裁判所基準(弁護士基準)には大きな違いがあります。
しかも裁判所基準は、これまで積み重ねられてきた過去の裁判例における賠償額の目安にすぎません。
実際には事案ごとに慰謝料額が調整されますので、慰謝料の請求には経験豊富な弁護士への依頼が重要です。

逸失利益の相場

逸失利益は後遺障害により労働に支障が出る(=収入が減少してしまう)ことに対する補償です。

3級の労働能力喪失率 100%

後遺障害3級が認定されると、1級、2級同様に、それ以降の労働は不可能であり、収入を得ることができないと判定されます。

逸失利益は以下の計算で求められます。

逸失利益 =
前年度の年収 × 労働能力喪失率(100%)
× ライプニッツ係数