解決事例85
聴覚障害の因果関係立証に成功し、併合12級が認定された事例
| 事故態様① (被害者 対 加害者) |
車対車 |
|---|---|
| 事故態様② | 出会い頭衝突 |
| 事例の特徴 | 示談交渉 |
| 争点 | 後遺障害慰謝料 |
| 属性 | 栃木県・40代男性・会社員 |
| 症例・受傷部位 | 頚椎捻挫、腰椎捻挫、外傷性頭部頚部症候群、感音難聴、耳鳴症 |
| 後遺障害等級・死亡事故 | 12級 |
| 保険会社名 | 損害保険ジャパン株式会社 |
| 弁護士費用特約あり・なし | あり |
| 保険会社提示額 | 最終示談金額 | 増加額 |
|---|---|---|
| 1944万円 | 1944万円 |
交通事故の状況
依頼者様は、深夜に青信号の交差点を直進中に事故に遭われました。原因は、赤信号で停車していた相手方の車が突然加速して交差点に進入し、衝突したことによるものです。この事故により依頼者様は負傷し、救急搬送されました。
ご依頼内容
依頼者様は、事故後に耳の聴こえづらさや強い耳鳴りの症状が出ました。しかし、当初診察を受けた病院では、これらの耳の症状と事故との因果関係について否定的な見解が示されました。この状況を受け、相手方保険会社は耳鼻科の治療費対応を拒否し、さらに弁護士を立ててきました。
当初、ご依頼者様はご自身の保険会社から紹介された法律事務所への依頼を検討されていました。しかし、この複雑な状況に対応するため、交通事故案件を専門とする事務所によるサポートをご希望され、弊所にご依頼いただくこととなりました。
対応内容
耳鼻科への通院を続けるべきか悩んでおられた依頼者様に対し、担当弁護士は、将来的に事故による後遺障害が見込まれるとの判断から、治療を継続するよう助言しました。このアドバイスに従い、依頼者様はその後も通院を続け、通院のたびにオージオグラムという聴力検査を受けながら必要な治療を受けられました。
それでもなお症状が残存したため、後遺障害の申請に移行することとなりました。
そこで、当事務所の後遺障害専門スタッフがサポートに加わり、主治医と相談のうえ、依頼者様は後遺障害申請に必要な聴力検査の実施について一定の期間をあけて複数回の検査を行うこととなりました。
この専門的な検査により、正確な平均値を測定することが可能となり、最終的に申請に必要な診断書にその検査結果を詳細に記載いただくことができました。
成果
後遺障害を申請した結果、聴力検査の結果から事故との因果関係が無事に認められました。
耳鳴りの症状について後遺障害が認定されるケースはあまり多くはない中で、本件では聴覚の後遺障害と捻挫の神経症状をあわせて、併合12級が認定されました。
この認定結果を受けて、担当弁護士は相手方弁護士との本格的な交渉に入りました。弁護士は、傷害や後遺障害の慰謝料はもちろん、仕事で昇進を断らざるを得なかったことによる逸失利益についても、粘り強く交渉を展開しました。その結果、慰謝料については裁判基準に近い金額を獲得し、さらに逸失利益も67歳までの期間が認められるという大きな成果を得ることができました。
相手方保険会社から耳鼻科の治療費を否認されるなど、当初大変お辛い状況に置かれていた依頼者様でしたが、この後遺障害認定によって因果関係が明確に認められました。そして、正当な慰謝料や逸失利益を獲得できたことで、最終的にご納得いただける解決につなげることができました。
