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眼の後遺障害とは?
症状と後遺障害等級認定の慰謝料相場について

眼が果たす役割は非常に大きく、視覚から得られる情報を他の感覚で代用するのはむずかしいものです。そんな眼の障害は、眼球の障害とまぶたの障害とに分けられます。

ここでは、視力の低下からまつげの欠損まで、眼に関する後遺障害と慰謝料相場を解説します。

眼の後遺障害と慰謝料相場

眼の後遺障害は、眼球と眼瞼(がんけん、まぶたのこと)の障害に分けることができます。

眼球の後遺障害には、視力の低下や調整機能の障害などがあり、眼瞼の障害には欠損障害と運動障害があります。順番に詳しく紹介していきます。

視力障害の等級と症状(失明と視力低下)

症状等級自賠責基準弁護士基準
両眼が失明したもの1級1号1,150万円2,800万円
1眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になったもの2級1号998万円2,370万円
両眼の視力が0.02以下になったもの2級2号998万円2,370万円
1眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの3級1号861万円1,990万円
両眼の視力が0.06以下になったもの4級1号737万円1,670万円
1眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの5級1号618万円1,400万円
両眼の視力が0.1以下になったもの6級1号512万円1,180万円
1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの7級1号419万円1,000万円
両眼の視力が0.6以下になったもの9級1号249万円690万円
1眼が失明し又は1眼の視力が0.02以下になったもの8級1号331万円830万円
1眼の視力が0.06以下になったもの9級2号249万円690万円
1眼の視力が0.1以下になったもの10級1号190万円550万円
1眼の視力が0.6以下になったもの13級1号57万円180万円

視力の測定は、原則として万国式視力表を使って調べます。万国式試視力表とは、ランドルト環(英語のCに似た形のもの)やアラビア数字が書かれた表のこと。多くの方が学校や健康診断、また眼鏡やコンタクトレンズをつくるときに経験しているものです。

また、ここで言う視力とは矯正視力のこと。眼鏡やコンタクトレンズ、眼内レンズをつけた上での視力を指します。

失明とはどのような状態を指すか?

失明とは、眼球を摘出した場合と、明暗を区別できないか、ようやく区別できる程度のものを指します。具体的には、矯正された視力で0.01未満です。

なお、失明には光覚弁(暗闇の中、被験者の目の前で照明を点滅させ、明暗を区別できる視力)と、手動弁(目の前で他人の手を動かし、その方向を区別できる視力)も含まれます。

調節機能障害の等級と症状

症状等級自賠責基準弁護士基準
両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの11級1号136万円420万円
1眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの12級1号94万円290万円

眼にはレンズの役割を果たす水晶体があります。ここで外から入ってくる光を曲げ、網膜に画像をうつしだすわけです。このとき、眼球の調整機能が働きます。ピント調節をするために、近くのものを見るときには水晶体を膨張させ、遠くのものを見るときには水晶体を縮小させます。調節機能障害になると、このピント調整機能が失われます。

「著しい調節機能障害を残す」とは、片目の場合、障害がない方の目と比較して2分の1以下になったケースを指します。両目ともに障害を受けた場合は、左右の比較ができません。このときは「調整力値」と比較して判断します。

調整力値とは、年齢により眼の機能が衰えることを考慮して導き出された基準値のことです。なお、55歳以上になると、すでに調節の機能は失われているとみなされ、障害の対象とはなりません。

運動障害(眼球の障害)の等級と症状

症状等級自賠責基準弁護士基準
正面を見た場合に複視の症状を残すもの10級2号190万円550万円
両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの11級1号136万円420万円
1眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの12級1号94万円290万円
正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの13級2号57万円180万円

眼球は、片目につき3対、両目で6対の外眼筋に支えられています。この外眼筋が一定のバランス状態にあることで眼球を正常な位置に保っています。しかし、1個あるいは数個の外眼筋が麻痺すると「麻痺性斜視」が起こります。

斜視とは、物を見ようとするとき、片方の目は直視できる方向に動くのに、他方の目が別の方向に向かってしまうものです。

また、これらの原因により物体が2つに見えることを「複視」と言います。複視は両眼を開けているときに起こる両眼複視と、片眼だけで起こる片眼複視があります。両眼複視の場合は、どちらかの眼を閉じると正しく見えるのが特徴です。

視野障害(眼球の障害)の等級と症状

症状等級自賠責基準弁護士基準
両眼に半盲症、視野狭窄、又は視野変状を残すもの9級3号249万円690万円
正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの13級2号57万円180万円
1眼に半盲症、視野狭窄、又は視野変状を残すもの13級3号57万円180万円

視野とは、眼球を動かさずに一目で見られる範囲のこと。視野障害のうち、半盲症とは視野の右半分(または左半分)が欠けて見えなくなること。視野狭窄は、視野が狭くなってしまうこと。視野変状は、視野内に見えない場所がある暗点と視野欠損のことを言います。

眼瞼の後遺障害の等級と症状

眼瞼は「がんけん」と読み、まぶたのことを指します。この障害には、まぶたの欠損やまつげはげ、瞳孔異常、運動障害などがあります。

症状等級自賠責基準弁護士基準
両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの9級4号249万円690万円
両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの11級2号136万円420万円
1眼のまぶたに著しい欠損を残すもの11級3号136万円420万円
1眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの12級2号94万円290万円
両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの13級4号57万円180万円
1眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの14級1号32万円110万円

「まぶたに著しい欠損を残す」とは、まぶたを閉じても、角膜を完全におおえないもの。「一部に欠損を残す」とは、まぶたを開けたときには角膜を完全におおえても、しろめ(球結膜)が露出するものを指します。

「まつげはげを残す」とは、本来まつげがはえている部分の2分の1以上に、まつげがないものを言います。

「まぶたに著しい運動障害を残す」とは、まぶたを開けたときに瞳孔を完全におおうものと、まぶたを閉じたときに角膜を完全におおえないものを言います。

上記以外に、瞳孔の異常により常にまぶしさを感じるものや、涙小管が断裂されたことによって流涙するものなども後遺障害として認められます。

後遺障害認定のためのポイント

眼の後遺障害を認めてもらうには、必要な検査をし、原因を立証する必要があります。つまり、視力は万国式試視力検査で測定できますが、それだけでは足りないということです。

しかし、眼科の多くは内科的な疾患の治療が中心であり、頭部外傷やそれを原因とした視神経の損傷を解明できるケースは多くありません。そのため、後遺障害として認めてもらうには、大きな病院で検査を受ける必要がでてきます。 必要な書類が何なのか、通院している眼科でどこまで検査をしてもらえるのかを早い段階で見極めるようにしてください。