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後遺障害14級に認定される症状と
後遺障害慰謝料、逸失利益相場

後遺障害14級に認定される症状

監修:弁護士 伊藤一星(弁護士法人宇都宮東法律事務所)
所属:栃木県弁護士会(登録番号:49525)
2020.8.27(最終更新日:2020.12.21)

後遺障害14級は最も等級が低いもので、医学的に証明しづらいものがある上、慰謝料を支払うか支払わないかの分かれ目となるため認定がむずかしいとされています。
ここでは後遺障害14級に認定される症状を紹介し、それによって請求できる後遺障害慰謝料と逸失利益の相場を解説します。

後遺障害14級とは?

後遺障害14級は、1号から9号まであります。
詳しく見ていきましょう。

14級1号 一眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの

片目のまぶたの一部が欠損してしまったり、まつげが半分以上失われてしまったりする状態。まぶたを閉じた状態でも白目の一部が露出してしまう場合と、まつげが半分以上なくなくなり生えてこない状態のものが該当します。

14級2号 三歯以上に対し歯科補綴を加えたもの

歯科補綴(しかほてつ)とは、歯科で治療したもの。3本以上の歯の治療が必要だったということです。永久歯のみが対象となります。

14級3号 一耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの

片耳の純音聴力レベルが40dB以上のものを指します。

14級4号 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
14級5号 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの

腕や手、足の露出面に、手のひらと同じ面積の酷い傷跡が残ってしまった場合を指します。露出面とは、一般的に肘関節以下、膝関節以下と解釈されますが、ノースリーブやショートパンツ、水着などを着る機会を含めると範囲は広がります。

14級6号 一手のおや指以外の手指の指骨の一部を失ったもの

片手の親指以外の指の骨の一部が失われている場合が該当します。これには、遊離骨折で骨が癒着していないケースも含みます。

14級7号 一手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの

遠位指節間関節とは、指の先端に近い方の関節のこと。この関節が曲がらなくなった場合を指します。屈伸させる筋が損傷し自由に屈伸ができないことなどが原因となります。

14級8号 一足の第三の足指以下の一又は二の足指の用を廃したもの

片足の中指、薬指、小指のうち1本、または2本に障害が残り、指が動かなくなったり、感覚を失ったりしたものを指します。

14級9号 局部に神経症状を残すもの

手や足などの身体の一部分に痛みやしびれなどの症状が残るものを指します。
神経症状とは、中枢神経や末梢神経などが損傷を受け、麻痺や痛み、しびれなどを生じさせるもの。むちうちが代表的ですが、レントゲンなどで異常が見つからないことも多く、もめるケースも多くなります。

後遺障害14級で受け取れる後遺障害慰謝料と遺失利益

後遺障害で請求できる代表的なものに後遺障害慰謝料と逸失利益があります。
後遺障害慰謝料は後遺障害が残ってしまったことに対して請求できるもの。逸失利益は後遺障害により労働に支障が出る(=収入が減少してしまう)ことに対する補償です。

後遺障害14級の自賠責保険限度額は、75万円。
これは、後遺障害慰謝料と逸失利益の合計金額です。

後遺障害慰謝料の相場

後遺障害で請求できる後遺障害慰謝料の基準には、「自賠責保険基準」、「任意保険基準」、「弁護士基準」の3つがあります。任意保険については推定値となりますが、まずは比較してみましょう。

自賠責基準任意保険基準裁判所基準
(弁護士基準)
32万円40万円110万円

このように、自賠責基準と裁判所基準(弁護士基準)には大きな違いがあります。しかも裁判所基準は、これまで積み重ねられてきた過去の裁判例における賠償額の目安にすぎません。実際には事案ごとに慰謝料額が調整されますので、慰謝料の請求には経験豊富な弁護士への依頼が重要です。

逸失利益の相場

逸失利益は後遺障害により労働に支障が出る(=収入が減少してしまう)ことに対する補償です。

14級の労働能力喪失率5%

後遺障害3級以上の認定がなされると、それ以降の労働が完全に不可能となり収入を得ることができないと判定されます。労働能力の喪失度合いによって被害者本人はもちろん、扶養する家族が生活に困ることがないようにこの制度があります。

逸失利益は以下の計算で求められます。

逸失利益 =
前年度の年収 × 労働能力喪失率(5%)
× ライプニッツ係数

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